DX戦略
本ページは、当社の経営ビジョン及びビジネスモデルの方向性、DX戦略(推進体制・環境整備・人材の育成確保を含む)、戦略の達成状況を測る指標、および代表取締役によるメッセージを公表するものです。本内容は、取締役の決定(取締役2名の一致)により承認しました。
経営ビジョン及びビジネスモデルの方向性
当社が置かれている環境の変化
当社は、不動産情報流通・仲介・賃貸の大手に向けたITを、約30年にわたり手がけてきました。お客様のIT活用について相談を受け、進む道筋を描き、必要な仕組みをつくるところまでを担うITコンサルティングを主力にしてきた会社です。その当社自身に、次の4つの変化が同時に及んでいます。
- 生成AIが、当社の仕事の進め方そのものを変えた。調査・設計・検証にかかる時間が大きく縮み、これまでと同じ人数で扱える範囲が広がりました。逆に、費やした時間で価値を測るという従来の収益の形は、根拠を失いつつあります。
- 当社の収益が、稼働量に連動する労働集約型のままである。相談・設計・開発・商談が経営層に集中しており、事業の拡大が投入できる時間の上限に縛られる構造になっています。
- ご支援先でも、手順の継承が止まっている。人手不足により、熟練者の頭の中にある手順が引き継がれない。当社が支援の現場で繰り返し見てきた課題です。
- 公的手続きと商取引が、データ提出を前提とする形へ移行した。紙の書類を整える力よりも、事業のデータを揃えて説明する力が問われるようになりました。
経営ビジョン
まず自社を変え、その実践を製品として現場に届ける。
当社は、これまで積み上げてきた知見を「案件ごとの個別対応」で消費するのではなく、自社の業務そのものをデータとデジタル技術で作り替え、その過程で生まれた仕組みを製品として外へ出す会社へ変わります。自社が最初の利用者となり、自社で回らなかったものは世に出さない。この順序を経営の原則とします。
この原則を、お客様に向き合うときの姿勢と同じ言葉で言い直せば、「課題を伺い、進む道を描き、必要なものをつくる」——それを、まず当社自身に対して行う、ということです。
ビジネスモデルの方向性
上記のビジョンを、当社自身の収益構造の転換として実行します。これからの当社の主力は、自社クラウドサービス(JUNPAS・Locable)を軸に、DX支援・AI導入支援・助成金/補助金のコンサルティングを併走させる形です。
| これまで(労働集約) | これから(データと製品を中心に) | |
|---|---|---|
| 収益の型 | 案件ごとの都度課金(相談・設計・開発)。稼働量が売上の上限 | 自社クラウドサービス(JUNPAS・Locable)の継続利用料を柱に据え、稼働量と売上を切り離す。DX支援・AI導入支援・助成金/補助金のコンサルティングを併走させる |
| 売る主体 | 経営層による直接商談のみ | 販売パートナー(代理店)網へ拡張し、商談の状況を全件データで管理する |
| 知見の扱い | 担当者の経験として個人に蓄積 | 製品の標準機能とデータとして蓄積し、次の顧客にも同じ品質で届く形にする |
| 改善の根拠 | 個別のご要望と担当者の判断 | 利用データ・問い合わせの分析結果にもとづいて優先順位を決める |
この転換を担うのが、当社が内製した3つのクラウドサービスです。いずれも当社自身の業務で先に使っています。
- JUNPAS(手順マニュアルSaaS・外部提供)— 現場の手順を写真つきで残し、担当が替わっても同じ品質で実行できる状態にする。建築・内装/ガス/電気工事/不動産仲介/ビルメンテナンス/介護施設の各業種を対象とし、当社自身の業務手順も同じ仕組みで蓄積しています
- Locable(店舗サイトSaaS・外部提供)— 個人店が自社サイトを持ち、更新を続けられる状態にする。開設して終わりにせず、記事と地図情報の運用まで含めて回るようにします
- COMPASS(代理店・営業支援ハブ・当面は社内基盤)— 当社の商談・提案・手数料を1画面のデータとして扱う(特許出願中)
DX戦略
戦略の目的 — 当社の3つの業務プロセスを作り替える
1-3 の転換を実現するため、当社は自社の業務プロセスを次の3領域で作り替えます。
- (a) 販売プロセスの変革 — 経営層に集中した商談から、データで管理される販売パートナー網へ
- (b) 開発・提供プロセスの変革 — 案件ごとの個別対応から、利用データにもとづいて改善される製品へ
- (c) 社内オペレーションの変革 — 属人的な手順から、標準化され生成AIが組み込まれた工程へ
販売プロセスの変革
- 当社の商談・提案・パートナー管理を COMPASS に集約し、見込み客から契約に至るまでの各段階を全件データとして記録します。属人的な記憶や個別のやりとりに依存した進捗管理をやめます。
- 記録したデータを四半期ごとに分析し、どの段階で商談が停滞しているかを数字で特定して対策を決めます。
- 販売パートナー(代理店)へ提供する情報・手数料計算も同じデータ基盤の上で扱い、拡大しても管理コストが比例して増えない構造にします。
開発・提供プロセスの変革
- 案件ごとに個別に作り込んでいた仕組みを、自社サービスの標準機能として実装し直します。同じ課題を持つ次のお客様に、作り直しなしで届く状態を目指します。
- 自社サービスの利用状況のデータと問い合わせの内容を分析し、改善の優先順位を担当者の判断ではなくデータで決めます。
- 当社が自社の業務で使って不足が見つかった点を、そのまま製品の改善項目とします。自社で回らなかったものは提供しません。
社内オペレーションの変革
- 当社の業務手順を JUNPAS に記述し、担当が替わっても同じ品質で実行できる状態へ移します。
- 手作業で繰り返していた確認・集計を、記録が自動的に残る仕組みへ置き換えます。
- 調査・文書作成・検証といった工程に生成AIを組み込み、削減できた時間を製品開発と分析に振り向けます。
戦略の推進に必要な体制・組織
- 実務執行総括責任者:代表取締役 永山 剛 が兼務します。DXの意思決定と実行の責任を経営層が直接持ち、方針の決定から現場への反映までの距離を短く保つ体制とします。
- 推進の単位:上記(a)(b)(c)の領域ごとに担当を置き、領域をまたぐ優先順位は代表取締役が決定します。管理業務の執行は取締役が担当し、経理・契約・労務の各プロセスを推進の対象に含めます。
- 外部パートナーとの分業:専門領域は外部のパートナーおよび専門家(税務・法務・情報セキュリティ等)と継続的に連携します。内部に抱え込まないことで、技術の選択肢を狭めずに更新し続けられる体制とします。
- 生成AIとの分業:調査・設計・検証・文書化の各工程に生成AIを組み込み、人が判断に充てる時間を確保します。実行と確認の手順は JUNPAS に記録し、担当が替わっても同じ品質で再現できる状態を保ちます。
- 進捗の管理:3. の指標について四半期ごとに実績を確認し、差異があれば対策を決定します。
最新の情報処理技術を活用するための環境整備
- クラウド基盤への集約:自社サービスはクラウド基盤上で稼働させ、サーバーの保守作業ではなく機能の改善と分析に人手を割ける状態を保ちます。
- データを一箇所に集める:商談・利用状況・問い合わせを分散させず、分析できる形で蓄積します。分析結果を意思決定に使うことを前提に設計します。
- 生成AIの業務組み込み:用途に応じて外部のAIサービスと社内で完結するAIを使い分け、お客様からお預かりした情報および当社の機密情報を外部のAIサービスへ渡さない運用ルールを定めています。
- データの保全:重要なデータは自動で外部へ定期的に複製し、消失に備えます。アクセス権限は業務上必要な範囲に限定します。
- セキュリティ:5. のとおり。
人材の育成・確保
- 役員および従業員が、生成AIを含むデジタル技術を業務で使いこなせるよう、操作と判断基準を JUNPAS の手順書に蓄積し、担当が替わっても同じ品質で実行できる状態を整えます。
- 採用と外部人材の活用:デジタル技術に関わる業務は、社内での育成と外部専門人材の活用を組み合わせ、事業の段階に見合った体制を維持します。採用にあたっては、経験の有無よりも、手順に沿って学び改善できることを重視します。
- 学ぶ機会の確保:役員および従業員が外部の研修・セミナー等で学ぶ機会を確保し、業務に必要な知識を継続的に更新します。
- 専門性の高い領域は外部パートナーとの協業で補い、協業を通じて社内に知見を残します。
DX戦略の達成状況を測る指標
当社は、2. のDX戦略の達成度を次の指標で測り、四半期ごとに実績を確認します。本指標は2026年9月に着手するDX戦略の進捗と効果を測るものであり、初回の実績値は2026年度第3四半期末に公表します。
| 指標 | 対応する戦略 | 測り方 |
|---|---|---|
| 商談の全段階がデータとして記録され、四半期ごとに段階別の件数と停滞箇所を分析できる状態にあること | 2-2 (a) | 達成・未達で判定(定性指標) |
| 利用状況のデータ・問い合わせの分析結果にもとづいて機能改善に反映した件数(四半期あたり) | 2-3 (b) | 改善として反映した件数 |
| 生成AIを組み込んだ業務工程の数、およびそれにより削減した作業時間(月あたり) | 2-4 (c) | 工程数/削減時間 |
| 主要業務のうち、手順書が整備され担当が替わっても実行できる工程の割合 | 2-4 (c)・2-7 | 整備済み工程数 ÷ 対象工程数 |
代表取締役メッセージ
まず、自分の会社を変えます。
当社は約30年、不動産情報流通・仲介・賃貸の大手に向けたITを手がけてきました。課題を伺い、進む道を描き、必要なものをつくる。言われたものを作るのではなく、何をつくるべきかを一緒に決めるところからお引き受けしてきたつもりです。悪い仕事ではありません。ただ、この形は投入した時間の分しか大きくなりません。相談も設計も開発も商談も経営層に集中している以上、会社の伸びは、投入できる時間で頭打ちになります。それが当社の、いちばん大きな課題でした。
だから私たちは、まず自分たちの仕事のやり方を変えることにしました。自社の手順を JUNPAS に書き、商談を COMPASS のデータとして管理し、利用状況を分析して次に直すものを決める。勘と記憶で回していたところを、データで回るところへ置き換える。そして、そこで生まれた仕組みをそのまま製品として外へ出します。
この順番には理由があります。自分たちが使えないものを、お客様にお勧めしたくない。自社で回らなかったものは、世に出しません。
一方で、デジタル化は速さを競うものではありません。お預かりした情報を守れないなら、そもそも預かるべきではない。当社は情報セキュリティ基本方針を定め、SECURITY ACTION の二つ星を宣言しました。守る仕組みを整えたうえで、前に進みます。
自社を変えた先に、これから当社が力を注ぐのは、自社クラウドサービス(JUNPAS・Locable)を軸に、DX支援・AI導入支援・助成金/補助金のコンサルティングを併走させる形です。課題を伺い、進む道を描き、必要なものをつくる。その順序は、製品になっても変えません。
2026年9月3日
有限会社FDSi 代表取締役 永山 剛
情報セキュリティに関する取組み
当社は、お客様の業務情報および個人情報をクラウド上でお預かりする立場にあることを踏まえ、情報セキュリティ基本方針を定めて公開しています。あわせて、独立行政法人情報処理推進機構(IPA)が推進する SECURITY ACTION の二つ星を宣言しました(自己宣言ID:50000312103/自己宣言日:2026年9月1日)。
制定日:2026年9月3日 / 改定日:2026年9月12日(推進体制の記載を役職による表記へ改め、外部パートナーおよび生成AIとの分業を明記)
有限会社FDSi 取締役の決定(取締役2名の一致)により承認